トニー賞6部門を獲得した名作ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』が、2026年についに日本初上陸します。主演は柿澤勇人と吉沢亮のWキャスト。「居場所のない若者」を描く同時代性の強い作品で、原語版のサントラはSpotify全曲配信、映画版もVODで視聴できます。観劇前の予習にも、観に行けない人にも届く視聴方法までまとめました。
公演基本情報(2026年5月時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』 |
| 主演 | 柿澤勇人・吉沢亮(Wキャスト) |
| 楽曲 | ベンジ・パセック、ジャスティン・ポール(『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』作曲コンビ) |
| 受賞歴 | 第71回トニー賞 作品賞・楽曲賞・主演男優賞ほか6部門受賞(2017年) |
東京公演
- 劇場:EX THEATER ARIAKE
- 公演期間:2026/7/25(土)〜9/21(月・祝)
- 追加公演:2026/7/28(火)〜8/20(木)
- → チケットぴあの公演ページ
大阪・愛知公演
大阪・愛知公演も予定されていますが、2026年5月時点で詳細(劇場・日程・チケット発売)は未発表です。最新情報は公式サイトでご確認ください。
あらすじ
社交不安障害を抱える高校生、エヴァン・ハンセン。学校でも家でも、誰とも繋がれない感覚に苦しむ毎日を送っていました。セラピストの提案で、彼は「今日は良い日になる、なぜなら……」と自分宛に手紙を書き、自分を励ます習慣を始めていたのです。
ある日、その手紙の1通が、転校生コナー・マーフィーのポケットから見つかります。コナーは家族との対立の末、自ら命を絶っていました。コナーの両親は、その手紙を「息子の親友からのメッセージ」と勘違いし、エヴァンに会いに来ます。本当のことを言えば、悲しみに沈む家族をさらに傷つけてしまう──そう思い込んだエヴァンは、つい嘘をつきます。「僕とコナーは、親友でした」と。
そこから始まった嘘は、ひとつ、またひとつと重なっていきます。SNSで「You Will Be Found(あなたは見つけられる)」というメッセージが拡散され、エヴァンは思いがけず「居場所のない人々の代弁者」として注目を集めます。コナーの家族との関係、初恋、母との和解、自分自身との折り合い──。優しさから始まった嘘は、いずれ向き合わなければならない真実を、エヴァンに突きつけていきます。
「自分は誰かに見つけてほしかった」という痛みと、「自分が見つけたつもりの真実は本当にそうだったのか」という揺らぎ。SNS時代の若者の孤独と、人と繋がることの祈りを描いた、痛みと再生のミュージカルです。
私が注目したい理由
1. パセック&ポール楽曲の生体験
『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』で世界中を魅了したベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが、ミュージカルとして書き下ろした楽曲群。「Waving Through a Window(窓越しに手を振る)」の「自分はずっと外側にいる」感覚、「You Will Be Found」の合唱が広がる瞬間、「For Forever」の儚さ──同じ作曲家とは思えない振れ幅の感情を、舞台で浴びるように体験できます。
2. 柿澤勇人と吉沢亮のWキャスト
エヴァンは、舞台に出ずっぱりで、一幕の半分近くを一人で歌い上げる過酷な役。「歌力」と「演技力」のどちらか一方では成立しません。歌唱で定評のある柿澤勇人と、繊細な演技で支持される吉沢亮。同じエヴァンが、二人の表現でどう変わるのか──両方観たくなる組み合わせです。
3. 「現代の傷つきやすさ」を描く台本
2016年初演ですが、描かれているテーマは2026年の今、むしろ強度を増しています。SNSでの炎上と感動の拡散、若者のメンタルヘルス問題、「いいね」が「居場所」に変わる現象。観劇後、自分自身や周りの誰かについて考えさせられる作品です。
4. 「優しい嘘」と倫理のグラデーション
物語の核は、エヴァンの嘘です。でも観客は、彼を単純に責めることができません。「悲しんでいる人を慰めたい」という善意から始まった嘘が、雪だるま式に大きくなっていく構造を、台本が見事に描いています。倫理は白か黒かではなく、グラデーションだ──そう思わされる時間が、観劇後にも残ります。
5. 演劇とポップスの架け橋
「ミュージカルは堅苦しそう」と感じる人にも届く、ポップで耳なじみの良い楽曲群。一方で、台本の深さは古典的なドラマの域に達しています。ミュージカル初観劇の人にも、すでにミュージカルファンの人にも、両方おすすめできる稀有な作品です。
6. トニー賞6部門の威光だけでは語れない作品
2017年トニー賞で作品賞・主演男優賞・楽曲賞など6部門を獲得したことは前置きにすぎず、本当の価値は「観終わったあと、自分について考えてしまう」ところにあります。エンタテインメントと文学性が両立する、現代ミュージカルの代表作です。
観に行けない人へ|原語版を観る方法
| 視聴方法 | サービス | 備考 |
|---|---|---|
| 映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』(2021) | U-NEXT / Apple TV | 主演は初演で同役を演じたベン・プラット本人 |
| OBCR(オリジナル・ブロードウェイ・キャスト・レコーディング) | Spotify / Apple Music / Amazon Music | 全曲ストリーミング配信中 |
| サントラCD | Amazon | フィジカル盤も入手しやすい |
| 楽譜・ピアノ譜 | 各種音楽専門ショップ | 演奏したい人向け |
映画版とミュージカル版では細部の構成や追加曲があるため、両方比較しても楽しめます。
→ 海外ミュージカルの視聴方法ガイド|配信・字幕・DVDを一気にチェック
こんな人におすすめ
- 『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』の楽曲が好きな人
- 現代的なテーマ(SNS、若者の孤独、家族)を扱う作品が観たい人
- 柿澤勇人または吉沢亮のファン
- トニー賞作品を日本で観たい人
- ミュージカル初観劇でも入りやすい作品を探している人
関連作品
- 映画『ラ・ラ・ランド』『グレイテスト・ショーマン』(同じパセック&ポール作曲)
- 映画版『ディア・エヴァン・ハンセン』(2021年・ベン・プラット主演)

