1997年のイギリス映画『フル・モンティ』をミュージカル化し、ブロードウェイで愛され続けてきた作品が、2026年夏、日米合作キャストで日本上陸します。山本耕史×ゆりやんレトリィバァに加え、ブロードウェイで活躍するキャストも共演する異色の座組。日本語と英語が舞台上でどう同居するのか、観劇体験そのものが新鮮です。
公演基本情報(2026年5月時点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 日米合作ブロードウェイミュージカル「フル・モンティ」 |
| 出演 | 山本耕史 / Adam Chanler-Berat / ゆりやんレトリィバァ / John Hemphill ほか |
| 劇作・脚本 | テレンス・マクナリー |
| 作詞作曲 | デイヴィッド・ヤズベク(『プロデューサーズ』『プリティ・ウーマン』) |
| 演出 | トレイ・エレット |
| 振付 | ポール・マギル |
東京公演
- 劇場:東京国際フォーラム ホールC
- 公演期間:2026/8/19(水)〜9/14(月) 期間内
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大阪公演
- 劇場:新歌舞伎座
- 公演期間:同期間内
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あらすじ
舞台はアメリカ・ニューヨーク州バッファロー。かつて栄えた鉄鋼業の街は、工場閉鎖の連鎖で活気を失い、職を失った男たちが行き場をなくしていました。
主人公のジェリーも、その一人。離婚し、息子ナサニエルとの面会のために養育費を払わなければならないが、無職の彼にはそれが叶わない。あるとき、女性たちが熱狂しているチッペンデールズ風の男性ストリップショーを見て、彼はある突拍子もないアイデアを思いつきます──「俺たちでやればいい。しかも、フル・モンティ(全部脱ぐ)で」。
集められたのは、寄せ集めの男6人。太め、年配、内気、自殺願望、ゲイ、そして元監督。プロのダンサーではない彼らが、家族と尊厳を取り戻すために、舞台で全部脱ぐと決意します。リハーサルは滑稽で、何度も挫折しかける。だが、不器用な男たちが互いに支え合いながら、自分の弱さと向き合っていく過程で、観客は気付かないうちに笑いながら涙ぐんでいる──。
失業、男らしさの呪縛、家族との繋がり、自尊心の回復。コメディの皮をかぶった、社会派の人間賛歌です。
私が注目したい理由
1. デイヴィッド・ヤズベクの楽曲
『プロデューサーズ』『プリティ・ウーマン』を手がけたデイヴィッド・ヤズベクが、男声合唱を全面に押し出した骨太な楽曲を書いています。「Big-Ass Rock」(自殺願望のメンバーを止めようと、友人たちが「もっと派手な死に方」を提案するブラックコメディ的な歌)、「You Walk With Me」(最も心が震えるバラード)など、笑いと涙が同居する曲が連続します。
2. 山本耕史×ゆりやんレトリィバァ
実力派俳優の山本耕史と、バラエティで存在感を放つゆりやんレトリィバァ。普段ミュージカルを観ない層にも届く座組で、観劇体験の幅が広がる組み合わせです。山本耕史が演じる「アメリカの労働者階級ジェリー」がどう成立するのか、ゆりやんのキャラクターがどう物語を動かすのか──最大の興味ポイントです。
3. 日米合作の翻訳・上演スタイル
Adam Chanler-Berat、John Hemphill ら本物のブロードウェイ俳優が共演する日米合作プロダクション。日本語と英語が舞台上でどう同居するのか、観劇体験そのものが新鮮です。バイリンガル上演は近年の日本ミュージカル界では稀有な試みで、それ自体が観る価値のある実験です。
4. 「男らしさ」の解体と再構築
表面はコメディですが、本質は「男らしさ」の社会的呪縛を描く作品です。働けない自分を恥じる、感情を表に出さない、弱さを見せられない──そんな男たちが、互いに「弱さを見せ合う」ことで救われていく構造は、現代の日本でこそ刺さるテーマです。
5. お腹を抱えて笑った後、ふと胸が熱くなる
笑える要素(リハーサルの失敗、ゲイのメンバーとのやり取り、息子との会話)と、泣ける要素(失業、自殺、家族の絆)が、ヤズベクの楽曲によって絶妙にブレンドされています。観劇中はずっと笑っているのに、終盤のクライマックスでなぜか涙が出てくる──その体験を経験したくて、私はこの作品を観たいと思っています。
6. 「全部脱ぐ」というメタファー
タイトルの「フル・モンティ」は文字通り「全部脱ぐ」という意味ですが、作品全体のメタファーでもあります。男たちが舞台で身体を曝け出すことは、自分の弱さや痛みを社会に曝け出すことと重なります。終幕のシーンは、観客側の心の鎧も剥ぎ取られる、不思議なカタルシスをもたらします。
観に行けない人へ|原語版を観る方法
舞台版の公式映像はリリースされていませんが、原作の映画版は配信中です。
| 視聴方法 | サービス | 備考 |
|---|---|---|
| 映画版『フル・モンティ』(1997) | Amazon Prime Video / Apple TV | 原作映画。舞台版とは舞台設定(英国/米国)が異なる |
| OBCRサントラ | Amazon Music / Spotify | デイヴィッド・ヤズベク作曲の全楽曲を配信中 |
| サントラCD | Amazon | フィジカル盤も入手可能 |
映画とミュージカルでは舞台設定(英国シェフィールド/米国バッファロー)が違うので、両方比べてもおもしろい作品です。
→ 海外ミュージカルの視聴方法ガイド|配信・字幕・DVDを一気にチェック
こんな人におすすめ
- 笑える&泣けるミュージカルが観たい人
- 社会派の人間ドラマが好きな人
- 山本耕史またはゆりやんレトリィバァのファン
- 日米合作の特殊な観劇体験に興味がある人
- デイヴィッド・ヤズベクの楽曲(『プロデューサーズ』『プリティ・ウーマン』)が好きな人

